中国南西部、貴州省の省都・貴陽市(Guiyang)で、ビッグデータ産業博覧会(Big Data Expo)が2019年5月に開催された。ビッグデータ先進地域として急成長した同市で5年目を迎えた博覧会は、GoogleやDELLなど海外156社が出展、過去最大の企業数448社の盛況のなか閉幕した。関係者からはヘルスケアにおけるAIの成長可能性が改めて強調されたという。
中国メディアGlobal Timesによると、Yidu Cloudは出展企業のひとつで、中国25の省で700以上の病院から3億人以上の患者データをクラウドベースで集積し、自然言語処理で分析している。創設者で会長のGong Rujing氏は「中国の実臨床での情報の安全性と法整備には、諸外国と比較し更なる努力が必要だ。米国との間で増す圧力によって協力の扉が閉じられるべきではない。私たちは米国FDA水準を設定してきた」とインタビューに応じている。
医療データ処理は、米国においては一握りの企業での寡占が進む一方、中国では約4000社が乱立しているという。中国メディアtechnodeの報道では、Yidu Cloudが3年間収益ゼロで米国水準のシステムに1億ドルを投資した経緯や、システム確立に難渋した英国NHSとの対話交渉など国際進出の動きも紹介されている。対HUAWEI制裁など不安定な情勢の中、同社の次の一手にも注目したい。