個人情報の宝庫である医療機関の患者データに、サイバーアタックの脅威が迫っている(過去記事)。メリーランド大学は、ボルチモア校(UMB)とボルチモア郡校(UMBC)の間で協定を結び、医療データと医療機器をサイバーアタックから保護するためにAIを活用することを発表した。
Healthcare Innovationの報道によると、ボルチモア校の医学知識と、ボルチモア郡校のサイバーセキュリティ技術を組み合わせることで、医療データの安全性を高める計画が進められる。同大学の大規模データセットから機械学習モデルを設計する際には、関連する医療デバイスとシステム上のセキュリティリスク自体をAIが発見するという。
「今後の臨床研究プロジェクトは、その一部にサイバーセキュリティを含むものでなければいけない」と、ボルチモア校の担当者は述べる。医療AI研究のためデータ収集するデバイスやシステムの経路が増えるほどに、セキュリティに抜け道が生じることも自明である。従来のセキュリティホール探索に限界が生じたとき、そこにもまたAI活用の余地があるだろう。