医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療AIがもたらす影響・問題点医療現場はサイバーアタックの脅威が増していく

医療現場はサイバーアタックの脅威が増していく

AI関連技術の発展もさることながら、通信環境の劇的な向上を背景として、医用画像・臨床データのクラウド保存や医療機器のIoT化は急速に進もうとしている。今後、医療現場がサイバーアタックの脅威に曝される機会が増すことには、もはや一切の疑いの余地がない。

英ヘルスIT系メディア・Digital Health Newsの報道によると、英国民保健サービス(NHS)が展開する現行のシステムにおいても、特にIoT化されたデバイスがサイバーセキュリティ上の深刻な脆弱性を持つという。外部機関に委託して行われた検査では、特定の超音波診断装置に容易な不正アクセスができ、画像データベースの完全な抽出ができてしまったとのこと。未だにWindows 2000をOSとして利用しており、最新のソフトウェアアップデートが受けられない状態にあった。

医療情報は究極の個人情報でもあるため、その漏洩は深刻な問題となる。さらに、診断・治療に関わるような情報の改ざんは直接的に個人の生命に影響を与えるため、その種のサイバーアタックを看過することは決してできない。一方、医療者およびシステム管理者側も相応のITリテラシーを持ち、技術向上に応じた知識のアップデートを随時行う姿勢を持つことも当然欠かせない。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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