医療AI研究を守るのもまたAI – メリーランド大学のサイバーセキュリティ技術提携

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個人情報の宝庫である医療機関の患者データに、サイバーアタックの脅威が迫っている(過去記事)。メリーランド大学は、ボルチモア校(UMB)とボルチモア郡校(UMBC)の間で協定を結び、医療データと医療機器をサイバーアタックから保護するためにAIを活用することを発表した。

Healthcare Innovationの報道によると、ボルチモア校の医学知識と、ボルチモア郡校のサイバーセキュリティ技術を組み合わせることで、医療データの安全性を高める計画が進められる。同大学の大規模データセットから機械学習モデルを設計する際には、関連する医療デバイスとシステム上のセキュリティリスク自体をAIが発見するという。

「今後の臨床研究プロジェクトは、その一部にサイバーセキュリティを含むものでなければいけない」と、ボルチモア校の担当者は述べる。医療AI研究のためデータ収集するデバイスやシステムの経路が増えるほどに、セキュリティに抜け道が生じることも自明である。従来のセキュリティホール探索に限界が生じたとき、そこにもまたAI活用の余地があるだろう。

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TOKYO analytica
TOKYO analyticaは、データサイエンスと臨床医学への深い造詣を武器とし、健康に関するあらゆるモノ・コトのエビデンス構築・普及をお手伝いするメディカルコンサルティングプロジェクトです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。専門はメディカルデータサイエンス。ロンドンでのベンチャーエンジニアを経て、英国内の大学で医療データベース研究に従事。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。