以前に紹介したように(過去記事)、中国ではごく一部の”三ツ星グレード病院”に国民の半数が受診し、結果的に長い待ち時間と非常に短い診察時間に至る、非効率な医療の現状がある。中国上海の市中病院では、新しいAIシステムの導入により、この長い診察待ち時間を短縮しようとする取り組みが始まっている。
中国メディアChina Dailyが27日報じたところによると、上海の小児病院ではYitu Healthcareの開発した新しいAIシステムが導入されるという。このシステムでは、外来受診プロセスの全てにAIが関与・管理するというもので、受診予約からオンラインでの事前診断(pre-diagnosis)までを含んでいる。受診前の段階から、患児の親が具体的な症状をオンライン入力することで、緊急性のアドバイスや受診すべき診療科、必要な検査などをAIシステムから提案される。
上海小児医療センターのZhao Liebin氏は、China Dailyによるインタビューの中で「このAIシステムは患者の診察待ち時間の大幅な削減と、患者体験の向上につながる。Yitu Healthcareとの協力を進め、診断精度の向上と他地域への適用拡大も図っていきたい」としている。