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どの術後患者をICUに送るか? – 臨床医の精度を上回るトリアージAI

米国外科学会議2019(American College of Surgeons Clinical Congress 2019)において、「どの術後患者がICUでの集中治療を必要とするか」のトリアージで、AIが臨床医を上回る精度を示したとの研究結果が報告された。

Medical Device and Diagnostic Industryの報道によると、ニューヨーク大学の研究チームは、計102に及ぶ臨床指標を元にこの機械学習アルゴリズムを構築したという。臨床医を含めた前向き研究においては、外科医が正確にトリアージを行えた割合が70%、集中治療医が64%、麻酔科医が58%であったのに対し、AIは82%といずれをも上回っていたとのこと。

ニューヨーク大学外科のMarcovalerio Melis准教授によると、どの患者に術後の集中治療を要するかには固定基準がなく、手術チームの個別的な臨床判断に託されるという。そのため、通常はオーバートリアージとして、本来的にはICUに入院する必要のない患者も送られてしまうことが多くなる。ICUにおいては多剤耐性菌に曝されるリスクが増すことで、入院期間が延長するとの報告もある。医師の正確な医学的判断を補助するシステムとして、今後の発展にも期待は大きい。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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