日本発のAI医療機器開発で存在感を示すベンチャーがある。アイリス株式会社(Aillis Inc.)はインフルエンザ感染で咽頭に発生するインフルエンザ濾胞について、視診で見分ける臨床医の診断技術をAI画像解析で可能とした。鼻腔から綿棒で検体採取する迅速検査キットとは別に、簡便で正確な早期検査法として医療機器認証を目指す。
香港の日刊紙South China Morning Postでも、AillisとそのCEOで医師の沖山翔さんを紹介している。創業者である彼の経歴とビジョン、日本で販売が承認されているAIベースの医療機器がごくわずかである現状、臨床試験を開始して近く承認を目指す同社の日本における先行性にも言及している。
新型コロナウイルスの話題が続く中、米国で今シーズンのインフルエンザによる死者が1万人超を記録したニュースが驚きをもたらした。感染症との戦いは様々な形で続くであろうが、インフルエンザへの対抗策はもともと日本では関心が高かった得意分野のひとつと言える。日本政府も医療分野におけるAI開発を重点項目としているが、アイリスのように有為な日本発ベンチャーが今後も国内外問わず注目されていくことを期待したい。