スタートアップの動向調査などを手がける米CB Insightsが3日、世界のAIスタートアップ約5,000社を対象とした調査に基づきトップ100社を選出した。同調査は今年で4回目を迎える。
産業別では、ヘルスケア産業から最多の13社が選ばれた。AIとヘルスケアとの親和性の高さ、将来への期待度が見て取れる。デジタル聴診器で知られる米Eko(過去記事)や、スマートフォンを用いた家庭用尿検査診断キットを手がけるイスラエルHealthy.io、医療ソフトウェアメーカーの米Subtle Medical(過去記事)などが紹介されている。
日本からは1社のみ、AIにスパースモデリング技術を積極採用するHACARUS(京都府)が選出された。スパースモデリングは「すかすか」を意味するスパース(Sparse)つまり少ない情報量から推論・予測する技術であり、種々の制約から断片的で情報量が不足しやすいヘルスケアデータへの応用も期待されている。同社はまた、AIによる意思決定過程をブラックボックス化させない「可視化できるAI」にも精力的に取り組む。
やはり目を引くのは、ある程度客観的な基準にも関わらず、100社の3分の2にあたる65社が米国に本社を置いていることである。2位以下はカナダ(8社)・英国(8社)・中国(6社)・イスラエル(3社)と続く。各国でAI振興政策が進むが、AIスタートアップが米国に集積する構図に未だ大きな変化は現れていないようだ。