英国における保健福祉の執行機関であるPublic Health Englandは、ケンブリッジ大学の要請に対し、匿名化した「COVID-19の感染患者データ全て」を科学者たちに提供することを決めた。これらのデータは、科学者らの構築したAIアルゴリズムのトレーニングに活用される。
Medical Xpressが6日報じたところによると、これらのデータセットには患者の入院記録・人工呼吸器の使用記録・治療内容・転機などが含まれているという。科学者らはこのAIによって、「どの患者が最も人工呼吸器の恩恵を受けるか」「どの患者が積極的治療なしでの軽快が望めるか」「病院への患者受け入れ可能数」などを予測することを目指し、COVID-19に対する医療提供体制の抜本的な効率化を早期に目指す。
先進各国における比較的安定した医療システムでさえ、予期しない医療需要の急激な増加には容易に崩壊し得ることが明らかとなった。この脆弱性はどの国・地域にとっても対岸の火事ではなく、システムの堅持を見据えた最適化行動が欠かせない。特に医療・保健システムは各国固有の発展を遂げてきた経緯があり、地域性に寄り添った効率化の指針策定が急務となる。