米NIH – COVID-19へのAI利用を推進

国立衛生研究所(NIH)は、COVID-19の深刻な拡大に対処するため、医療画像へのAI利用を積極推進する野心的な取り組みを公表した。NIHのブランチであるNational Institute of Biomedical Imaging and Bioengineering(NIBIB)が主導し、多施設・多領域共同によって革新的AIツールの導出を目指す。

NIHが5日行ったニュースリリースによると、COVID-19の早期発見と個別化治療を達成するAIツールを実現するため、Medical Imaging and Data Resource Center(MIDRC)を新たに立ち上げたという。MIDRCの主要な目的は、機械学習アルゴリズムを含む新しい診断技術の確立と、臨床現場へのその実装を主導し、医師が患者の治療を最適化することにあるとのこと。NIBIBのディレクターであるBruce J. Tromberg博士は「この重要な挑戦のため、アカデミアにおける医療画像やAIの専門家に加え、各種学会、産業、政府からもリーダー達を招き入れている」とする。

今回のプロジェクトでは、有効なAIの生成を助ける「COVID-19胸部画像の大規模リポジトリ」の構築が予定されている。医療画像は高度の個人情報に相当するため、研究利用であってもその収集には大きな制限があった。技術ネットワークに基づく高次元の倫理的配慮によって、COVID-19対策としてのAI開発は次のステージに進むこととなる。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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