米フロリダ州に所在するタンパ総合病院は、地域中核病院としての臨床機能と学術機関としての研究機能を高度に備えた米国主要病院の一つである。同院はGEヘルスケアのAIテクノロジー群を導入した2018年以降、医療システムの非効率を避けることで、実に4000万ドルものコスト削減に成功しているという。
Health Leadersが9日報じたところによると、このAIシステムは過剰な外来通院・入院患者数を劇的に改善し、平均入院日数は導入前の6日から5.5日に短縮されたとのこと。また、タンパ総合病院は外傷治療で名を馳せるが、システムによって外傷センターを最大収容人数で運用することを可能とし、結果的にICUへの入院を25%減少させた。これらの改善は30もの病床追加に相当するという。
タンパ総合病院のCEOであるJohn Couris氏は「問題を解決するには、建物を新たに建てるか、容量を増やすかと考えてしまいがちだが、私たちは異なる考え方を取り入れた。つまり、今あるものをより良くするにはどうすべきかということだ」とし、医療AIによるワークフローの効率化は、大規模な資本投下を必要としない「医療提供体制の抜本的改革」となり得る事実を指摘する。