医療AIが4000万ドルのコスト削減をもたらした一例

米フロリダ州に所在するタンパ総合病院は、地域中核病院としての臨床機能と学術機関としての研究機能を高度に備えた米国主要病院の一つである。同院はGEヘルスケアのAIテクノロジー群を導入した2018年以降、医療システムの非効率を避けることで、実に4000万ドルものコスト削減に成功しているという。

Health Leadersが9日報じたところによると、このAIシステムは過剰な外来通院・入院患者数を劇的に改善し、平均入院日数は導入前の6日から5.5日に短縮されたとのこと。また、タンパ総合病院は外傷治療で名を馳せるが、システムによって外傷センターを最大収容人数で運用することを可能とし、結果的にICUへの入院を25%減少させた。これらの改善は30もの病床追加に相当するという。

タンパ総合病院のCEOであるJohn Couris氏は「問題を解決するには、建物を新たに建てるか、容量を増やすかと考えてしまいがちだが、私たちは異なる考え方を取り入れた。つまり、今あるものをより良くするにはどうすべきかということだ」とし、医療AIによるワークフローの効率化は、大規模な資本投下を必要としない「医療提供体制の抜本的改革」となり得る事実を指摘する。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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