Zebra Medical Visionはイスラエル発の医療AIベンチャーで、複数のモダリティにおいて多くのFDA認証を取得するなど、業界を牽引する存在として注目を集めてきた(過去記事)。また近年は、Canon Medical Systems USAをはじめ、医療画像領域におけるトッププレイヤーとも協調することでその価値を飛躍的に向上させている(過去記事)。
Zebra Medical Visionはこのほど、イスラエル最大のヘルスケアプロバイダーであるClalit Health Servicesとの提携を公表し、クラウドベースの医療画像AIを大規模展開することを明らかにした。イスラエル在住者は、4つの保健維持機構(HMO)のいずれかを選択する必要があり、国民の100%が保険でカバーされている。Clalitは世界第2位・国内最大のHMOで、加入者は全イスラエル国民の実に60%以上となる。過去6年間に渡るClalitとの戦略的パートナーシップに基づき、Zebraは大規模な臨床データ提供を受けてきたが、これをベースとして確立されたAIアプリケーションの導入においてもClalitが大きな役割を果たす形となった。
今回のシステム導入に伴い、Clalitは「クラウドベースのAIソリューションを実装する世界初のHMO」となる。ClalitのArnon Makori医師は「我々は”予防は治療に勝る”と信じているが、人々の健康管理においてAIが果たす役割こそ、この信念を支えるものだ」とし、Zebraと達成する新しいイノベーションに大きな期待を寄せる。