米ノースウェスタン大学の研究チームは、胸部レントゲン画像からCOVID-19を高精度・高速に検出する新しいAIプラットフォームを開発した。研究成果は24日、放射線科領域のトップジャーナルであるRadiologyに掲載された。
チームの研究論文によると、DeepCOVID-XRと呼ばれるこのAIプラットフォームでは、胸部読影を専門とする放射線科医と比較して診断速度で10倍、正確性で1~6%高い値を示すなど、高度のスクリーニング性能を有しているという。また、アルゴリズムの生成と検証には1.7万を超える胸部レントゲン画像を利用しており、これはCOVID-19関連のAIシステム開発で最大規模の臨床データセットであるとのこと。研究チームは、このAIプラットフォームを入院患者に対する迅速スクリーニングとして利用することを検討しており、陽性患者の適切な隔離による他患者と医療従事者の保護効果を期待する。
ノースウェスタン大学による公式ニュースリリースにおいて、著者のひとりであるAggelos Katsaggelos氏は「我々はこのAIプラットフォームが、COVID-19の確定診断テストに取って代わることは目指していない」とし、現状、数時間から数日かかっているPCR検査結果を待つ間の、早期スクリーニング手段としての確立を見込んでいる。