「老化」にフォーカスし、健康寿命の延伸を狙うAIスタートアップ・Deep Longevityはこのほど、AIによって心理的老化マーカーを導いたとする研究成果を、査読付きのオープンアクセスジャーナル・Agingに公表した。
チームの研究論文によると、25-70歳、1万人を超えるアンケート調査結果から機械学習モデルのトレーニングを行ったという。モデルはアンケートの質問項目から、主観的・心理的年齢を高精度に推定できるように設計されている。独立データセットで行われた検証研究においては、1. この心理的年齢が高値であるほど死亡率が高いこと、2. 心理的年齢が実際の年齢より5歳上回る場合、通常の年齢認識を持つ人に比して2倍の死亡率を示すこと、などが明らかにされた。研究チームはこの「心理的老化マーカー」が、自身を若々しく感じ、生産的な生活を送るための有効な介入策立案に役立つ可能性に言及する。
Deep Longevityは、AI創薬のトップリーダーであるInsilico Medicineからのスピンオフ企業で、個性的な研究テーマと高い技術力で昨今大きな注目を集めている。Deep Longevityは今後、男女間における老化認識の差異、メンタルヘルスに関連する心理社会的マーカーの探索などへと研究スコープを拡張し、心身の健康に関する統合モデルの構築を目指している。