医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例米Nuanceが医療用文書作成自動化AIのSaykaraを買収

米Nuanceが医療用文書作成自動化AIのSaykaraを買収

医療用文書を書き起こすAI技術の開発競争が進む中、展開を加速し存在感をみせる企業が米Nuance Communicationsである(過去記事)。Nuanceは志を同じくする新興企業Saykaraの買収を発表し、AI技術と才能あるエンジニアチームを補完する動きをみせた。

Nuanceの8日付ニュースリリースによると、買収したSaykaraもNuanceと同様、臨床文書の作成自動化のためのモバイルAIアシスタントを開発しており、Saykaraの技術と開発チームを迎え入れることでNuanceの技術ポートフォリオと成長戦略の強化を図る。Saykaraの基幹技術はKaraと名付けられたAIアシスタントであり、医師と患者の会話からコンテンツの必要性と重要性を解釈して変換し、構造化データと非構造化データの両方を電子カルテへの記載・オーダー・紹介状への自動入力までを実現する。Saykaraによると、文書作成時間が平均70%短縮し、勤務時間外(パジャマタイム)の文書作成が完全に排除され、記載の品質と完全性は25%向上することを謳っている。

買収の背景には、Saykaraを2015年に設立したHarjinder Sandhu博士が、設立前にNuanceのR&D部門で幹部を務めていた経緯がある。Sandhu氏と彼が率いる開発チームが、今回の買収で再びNuanceに加わることとなる。NuanceのCTOであるJoe Petro氏は「今回の買収によって、最も優秀な人材で構成された研究チームに、身近で尊敬されるテクノロジーリーダーを迎え入れることになります。共通のビジョンを持ってイノベーションと成長に積極的に取り組み、臨床医が日々直面している切実な問題を解決していきます」と語った。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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