Realyze Intelligence – 電子カルテからハイリスク群を抽出するAIプラットフォーム

ピッツバーグ大学医療センター(UPMC)はこのほど、新規スタートアップ「Realyze Intelligence」を立ち上げたことを明らかにした。同社では高度なAIおよび自然言語処理技術を用いて、電子カルテデータから「転帰不良が見込まれるハイリスクグループ」を特定し、適切なケアを早期に提供することを目指す。

UPMCが3日明らかにしたところによると、Realyze Intelligenceが提供するAIプラットフォームでは、電子カルテに含まれる構造化データおよび非構造化データの双方を網羅的に解析し、健康リスクの高い集団を抽出することで医師の臨床的意思決定をサポートするという。同社を率いるGilan El Saadawi氏は「患者は一面的にのみ評価することはできない。多数の要因によって複雑化・個別化された病状を効果的にケアするには、電子カルテ記録の関連情報を活用する必要がある」とする。

UPMCによると、米国のヘルスケア業界において「臨床記録やメモからデータを抽出することを目的とした雇用」は年間87億ドルに及ぶという。Saadawi氏は「手作業で時間のかかるこのプロセスをRealyzeは合理化し、患者のストーリーを素早く解読することができる」としてプラットフォームの有用性を強調する。

Realyze Intelligenceは、UPMCにおいてイノベーションと商業化を担当するUPMC Enterprisesの支援によって設立された。詳細は同社ホームページを参照のこと。

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1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。