中国・深セン大学の研究チームは、「頭の動き」から自閉スペクトラム症(ASD)の識別を行う機械学習アルゴリズムの開発に取り組んでいる。
Journal of Autism and Developmental Disordersから11日公開された研究論文によると、ASD児および非ASD児に対して10のYes/Noで回答する質問を行い、回答に伴う頷きや首振りを解析することでASDの有無を識別しようとしている。ピッチ・ヨー・ロールの3次元ベクトルとしてみた回転方向それぞれに対して、頭の回転範囲(RR)と1分あたりの回転量(ARPM)を算出し、これらに基づく機械学習分類器のトレーニングを行った。結果、92.11%の最大分類精度を達成し、「頭部の動きのダイナミクスにASDを特定し得る客観的なバイオマーカーが含まれている可能性」を明らかにした。
ユニークなアプローチであるとともに、結果の一般化可能性が担保される限りにおいて、非侵襲的なスクリーニング手法として有効である可能性が高く、各方面から追試の進むことが期待される。同種アプローチは他の精神疾患へも適用範囲の拡大が見込まれるだろう。
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