COVID-19のパンデミックが精神的な健康に悪影響を及ぼしているとの指摘が相次ぐ中、特に学生の死因の最上位である自殺リスクをどのように推定するべきか。カナダとフランスの研究チームが、学生の自殺行動を正確に予測し得る要因を機械学習アプローチによって特定している。
カナダ・マギル大学のニュースリリースによると、研究は2013年から2019年の間に少なくとも1年間の追跡調査を受けた「フランスの大学生5,000名」あまりのデータから、自殺行動の予測因子を特定したというもの。研究に参加した学生の約17%が、1年間の追跡期間で自殺行動を起こしていた。70の潜在的な予測因子が検討され、最も高い予測力を示したものは、自殺念慮、不安、抑鬱症状、および自尊心で、これら4つによって自殺行動の約80%を検出することができた。研究成果はScientific Reports誌に掲載されている。
研究チームによると「自尊心が自殺行動の予測因子の上位4つに入ることは予想していなかったことであり、大規模データに基づく機械学習アプローチでなければ発見できなかっただろう」と語っている。これまで専門家の間でも認識されにくかった「自尊心」という顕著な予測因子を得たことで、研究と予防の双方で新たな道が開かれることを研究チームは期待している。
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