IBM Report – 医療データ侵害の平均コストは920万ドル

IBMが28日明らかにした調査結果によると、ヘルスケアセクターはデータ侵害(データブリーチ)に伴うコストがトップの業界で、実に平均923万ドル(約10.1億円)にも及ぶという。これは2020年の報告から200万ドル増加しており、「新型コロナウイルスのパンデミックによる運用シフト」によってセキュリティインシデントのコストが高くなっていることが考察されている。

レポートによると、2020年にパンデミックへの対応策として60%の組織がクラウドベースのデータ管理に移行した。結果的に急速なテクノロジー導入はセキュリティ対策の最適化を遅らせ、データ侵害に伴うコスト増を来した形となった。医療情報は究極の機微情報であるため、対策単価が高いことは知られてきたが、本報告ではメガブリーチ(5000~6500万件の記録が危機に曝されたケース)の平均コストは4億ドルを超えた。

また、データ侵害の特定と封じ込めに要した時間は平均で287日であり、およそ半数にあたる44%のケースでは医療情報を含む個人情報が公開されていた。一方、AIを含むセキュリティの自動化戦略が大幅なコスト削減につながっている点も指摘されており、自動化を導入していない組織に対してコストの実際値として半分以下となっている事実を認めている。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。