サイバー攻撃によって50万人の患者情報が流出

アイオワ州に展開するWolfe Eye Clinicは、州全体として11のクリニックを運営する有力ヘルスケアプロバイダーとして知られる。このほど同クリニックは「サイバー攻撃によって、約50万人の患者情報が流出した可能性がある」事実を明らかにした。

Wolfe Eye Clinicによると、実際にサイバー攻撃を受けたのは本年2月で、不正アクセスの検出後「速やかに対応」し、一部のシステムや情報へのアクセスを遮断したという。ハッカーからは身代金の要求があったが、支払いは行っていないとする。その後、サイバーセキュリティの専門家からなる第三者委員会による調査を継続した。結果、約50万人の患者情報が流出した可能性があり、これには名前・生年月日・住所・社会保障番号に加え、高度の医療および健康情報が含まれ得るという。Wolfe Eye Clinicは追加的なセキュリティ対策を講じて再発防止に努めるとともに、流出が疑われる個人情報のモニタリングを継続する。

今月初め、「米国司法省は、ランサムウェアの調査をテロ同様の優先レベルに引き上げること」をロイターが報じている。また、バイデン政権は「他国によってもたらされたサイバー攻撃には軍事行動さえ検討し得る」ことを明らかにしており、米国がサイバーセキュリティを巡る脅威の認識を深めている事実が浮き彫りとなっている。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。