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Truveta – 米国における巨大データプラットフォームを構築

米国における14の主要なヘルスケアプロバイダーが提携し、ビッグデータ分析を通したケアの強化を狙う新しい企業、Truvetaの設立を公表した。参加プロバイダー群は、40の州で数千の医療施設を運営し、数千万人にケアを提供している。同社が保有することとなる巨大匿名化データセットは、Truvetaの大きな価値を形作る主因となる。

今日の各医療機関には指数関数的に増加するデータセットが存在しているが、多くの組織において、この情報から臨床的に意味のある洞察を抽出するためのツール、および適切な人材が備わっていない。また、個別的に形成されるデータセットは研究目的に共有することさえも容易ではない。このほどTruvetaによって行われたニュースリリースによると、同社はプライバシーとセキュリティを保護しながら、同社の保有データの構造化・匿名化・分析を一貫して推進するデータプラットフォームの構築を目指すという。主要な分析アプローチに機械学習を採用し、組織間での共同学習によって安全かつ効率的な知見の創出を狙う。

参画するヘルスケアプロバイダーのひとつ、Trinity HealthでCEOを務めるMichael Slubowski氏は「ヘルスケアの歴史上で初めて、イノベーションを劇的に推進するだけのデータを持った」と述べており、倫理面への最大限の配慮を維持しながら、データ量としての強みを活かした研究開発を加速させることを強調する。

なお、14の参画ヘルスケアプロバイダーは下記の通り。

AdventHealth、Advocate Aurora Health、Baptist Health of Northeast Florida、Bon Secours Mercy Health、CommonSpirit Health、Hawaii Pacific Health、Henry Ford Health System、Memorial Hermann Health System、Northwell Health、Novant Health、Providence health system、Sentara Healthcare、Tenet Health、Trinity Health

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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