スタンフォード大が展開する「AI研究向け大規模画像リポジトリ」

米スタンフォード大学のAIMI(Center for Artificial Intelligence in Medicine and Imaging)では、AI研究の積極推進のため「注釈付き医療画像データセット」を無償提供する大規模リポジトリを展開している。

スタンフォード大学が2日明らかにしたところによると、2年前に立ち上げられたAIMIではスタンフォード大学医療センターを中心として急速な画像収集を続け、現在100万を超える注釈付き画像を管理・提供しているという。研究者らはこれらを無償でダウンロードし、自由にAI研究に利用することができる。また、AIMIはMicrosoft AI for Healthとの協力で、よりアクセスしやすく自動化された新しいプラットフォームも立ち上げている。これにより、世界中の機関からの多数の追加画像を、効率的にホスト・整理することができるようになる。さらにここでは、研究者向けにクラウドコンピューティングも提供しており、機械学習インフラストラクチャの構築にあたって、ローカルリソースの大量消費を懸念する必要がなくなるという。

AIMIは画像分析だけではなく、AI医学研究のためのエコシステム構築を狙う。適切なデータセットを用いることで、単にピクセルデータの議論だけでなく、他の関連するマルチモーダルデータを含めて臨床的に有用な症例を横断的に探索できるようになる可能性もあるとする。センターでは9つのデータセットで100万を超える画像を有しているが、来年にはこの数は2倍になることを見込む。AIMIの副ディレクタであるMatthew Lungren氏は「医療データは公共財であり、世界中の研究者に開かれているべきという我々の考えを倍加していく」と述べる。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。