スタンフォード大学 – 足首の外骨格システムで歩行速度を40%向上

米スタンフォード大学の研究チームは、ランニングシューズに取り付け可能な新しい外骨格デバイスにより、デバイスを利用していない時に比べて平均で42%の歩行速度改善がみられることを明らかにした。特に加齢に伴う歩行機能の低下は、日常生活の質低下とフラストレーションの増大を招く。研究者らは歩行速度を「回復」させるだけでなく、さらなる「向上」を狙うとしており、継続した取り組みを明らかにしている。

このほど、IEEE Transactions on Neural Systems and Rehabilitation Engineeringから公表されたチームの研究論文によると、この外骨格システムはモーターと独自のAIアルゴリズムにより歩行をサポートするもの。Human-in-the-loop機械学習(人間がアルゴリズム構築の学習・テストの両段階に関与し、絶え間ないフィードバックループを形成する)により、各ユーザー個別の最適設定を実現する。検証研究では10人の健常成人を対象としたが、近く高齢者による同等の歩行テストを行うことも明確にしている。

実際のデバイス写真はスタンフォード大学の公式ページより確認できる。パワードスーツの類型としてイメージするよりは圧倒的に小型軽量で、実運用を考慮した設計が見て取れる。高齢者の自律的活動を支援できる点でも本システムの意義は大きく、需要の規模は計り知れないだろう。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。