西オーストラリア大学(UWA)やハリー・パーキンス医学研究所、オタワ大学心臓研究所らの研究者が共同し、冠動脈疾患診断向けのAIツール「Salix」を開発した。ArtryaおよびEnvision Medical Imagingが提携し、来年初頭までの販売開始を予定している。
Artryaがこのほど明らかにしたところによると、Salixは、心臓CT画像から心筋梗塞の原因となり得る動脈硬化性プラークの検出と評価を自動化し、早期診断を支援するという。ツール搭載の独自アルゴリズム群により、3D心臓画像の構築、狭窄度、カルシウムスコア、プラーク総量と質評価、レポート作成までを15分以内で完了することができる。Salixは既にオーストラリア規制当局の市場販売承認を取得しており、グローバル展開を視野に海外規制当局への申請も進めている。
オーストラリア保健福祉研究所によると、同国における2018年の死亡原因第1位が冠動脈疾患であり、同年の心血管死亡における42%を占める。Salixによるリスク評価の自動化は、放射線科ワークフローの劇的な効率化を見込んでおり、これが冠動脈疾患患者の転帰改善に貢献するか期待が集まっている。
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