Salix – 冠動脈疾患の早期診断AIツール

西オーストラリア大学(UWA)やハリー・パーキンス医学研究所オタワ大学心臓研究所らの研究者が共同し、冠動脈疾患診断向けのAIツール「Salix」を開発した。ArtryaおよびEnvision Medical Imagingが提携し、来年初頭までの販売開始を予定している。

Artryaがこのほど明らかにしたところによると、Salixは、心臓CT画像から心筋梗塞の原因となり得る動脈硬化性プラークの検出と評価を自動化し、早期診断を支援するという。ツール搭載の独自アルゴリズム群により、3D心臓画像の構築、狭窄度、カルシウムスコア、プラーク総量と質評価、レポート作成までを15分以内で完了することができる。Salixは既にオーストラリア規制当局の市場販売承認を取得しており、グローバル展開を視野に海外規制当局への申請も進めている。

オーストラリア保健福祉研究所によると、同国における2018年の死亡原因第1位が冠動脈疾患であり、同年の心血管死亡における42%を占める。Salixによるリスク評価の自動化は、放射線科ワークフローの劇的な効率化を見込んでおり、これが冠動脈疾患患者の転帰改善に貢献するか期待が集まっている。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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