マンモグラフィAI導入による成果

医療画像用AIを開発するCureMetrix社は、乳がん検出のマンモグラフィAIにおいて、疑わしい症例に優先順位付けとフラグ立てをする「cmTriage」と、疑わしい領域を特定し読影医の乳がん検出を支援する「cmAssist」を提供している。このほど、実際のマンモグラフィ診断施設が同社AIを導入してから2年間の運用成績をまとめた研究成果が発表されている。

CureMetrixのプレスリリースでは、学術誌 Journal of the American College of Radiologyに発表された研究成果を紹介している。南カリフォルニアの施設において、従来の「AIを用いないコンピュータ支援の検出ソフトウェア」とCureMetrixのAI支援ソフトウェアについて、AIシステム導入から2年間の状況が比較検証された。CureMetrixのAI導入で得られたメリットは、立てられるフラグが71%減少し、偽陽性の減少を通して「より疑わしい症例に集中」することができるようになった。また、レポート結果返却までの所要時間が3分の1に短縮されたという。

これまでマンモグラフィのレポート返却には、医師不足を含む様々な要因での遅延が指摘され、結果を待つ多くの人々が不安を感じているという報告もあった。本研究の著者で放射線科医のMarie Tartar氏は「AIを日常業務に統合することで得られる可能性を、より多くの放射線科読影医に伝えていきたい」と述べている。

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1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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