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アルツハイマー病を予測するウェブアプリ

米ハーバード大学などの研究チームは、アルツハイマー病の発症と進行を予測する「ウェブベースのスクリーニングプログラム」を開発・検証している。

Alzheimer’s and Dementia: Diagnosis, Assessment and Disease Monitoringからこのほど公開されたチームの研究論文によると、「BRANCH」(Boston Remote Assessment for Neurocognitive Health)と呼ばれるこのウェブアプリについて、50-89歳の234名でスマートフォンによる試験を実施した。結果、BRANCHのスコアは、従来の対面式認知機能検査のスコアと中程度の相関があり、BRANCHスコアの低下は、画像診断で認められるアミロイドβやタウ蛋白の蓄積量と関連することも明らかにした。

神経心理学者のKathryn Papp博士と共著者らは、論文中で「認知機能が現時点で正常な人々において、BRANCHは『将来のアルツハイマー病進行リスク』とその記憶パフォーマンスを捉えることを示唆している」としており、新しいデジタルバイオマーカーの潜在的価値を強調している。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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