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がん組織標本からリンパ節転移を予測するAI

大腸がんのリンパ節転移を、組織標本のAI分析によって予測できる可能性が示された。これは、ドイツ・ハイデルベルクにある独がん研究センターが示した研究成果で、European Journal of Cancerから公開されている。

チームの研究論文によると、同施設が保有する2,400名以上に及ぶ大腸がん患者の「組織標本画像データ」を利用し、リンパ節転移の有無を識別する畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を構築・検証した。同分類器はAUC 74.1%を達成し、患者の年齢や性別、T期、腫瘍の位置と辺縁、などを含む臨床分類法と同程度に予測できることを示した。チームは、既存手法と画像ベースのCNNモデルを組み合わせることで、さらなる分類精度向上が期待できるとして研究を進めている。

著者らは「リンパ節転移が大腸がん患者の治療方針をタイムリーに決定するために重要な情報である」ことに触れ、ルーチンで取得される組織標本からリンパ節転移の有無を予測できることの臨床的価値を強調している。

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1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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