イスラエルの医療AIスタートアップ・Binah.aiは、スマートフォン・タブレット・ラップトップのカメラを利用し、心拍数を含むバイタルサインを1分以内に捉える技術を有する。バイタルサインの異常は、あらゆる疾患の初期変化として観察されるため、日常的なバイタルサイン測定の実現は常に臨床的価値が高い。
同社の説明によると、このシステムは遠隔光電式容積脈波(rPPG)に基づいて測定するもの。元来のPPGはシンプルで安価な光学的測定法で、古くは1930年代後半から医学的有用性について言及されていた。一方、rPPGは「非接触で心血管モニタリングを行うためのカメラベースのソリューション」であり、従来のPPGデバイスと同等の精度を持つことが明らかにされているという。Binah.aiの技術では、皮膚から反射される赤・緑・青の光量変化を測定し、鏡面反射と拡散反射のコントラストを定量化することで、心拍数・心拍変動・酸素飽和度などのバイタルサインを高速に捕捉することができる。
Binah.aiはソフトウェアの販売にあたり、米国食品医薬品局(FDA)の承認を必要としなかったが、本年12月までにFDAのクラスII医療機器承認を申請する予定としており、来年初頭までに少なくとも2つのバイタルサイン、その後残りのバイタルサインの承認を得ることを目標としている。
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