AIによって血液疾患診断を改善

独ヘルムホルツ・ミュンヘンを中心とする研究グループは、AIによって顕微鏡下での骨髄細胞分析を自動化し、血液疾患の診断を改善することを目指している。研究グループは、骨髄細胞の顕微鏡画像に関する世界最大規模のオープンソース・データベースを構築しており、これを活用した「臨床実装を前提としたAIモデル開発」を進めている。

世界中の病理学者は日々、光学顕微鏡を用いた骨髄細胞サンプルの分析を繰り返し、人力による分類を続けている。主要な血液疾患の診断方法は150年以上前に確立されたものだが、非常に複雑で難解であるとともに、視野中に稀にしか存在しない「診断に重要な細胞」を見落とさず同定することは容易ではなかった。同社が明らかにしたところによると、17万枚以上に及ぶ単一の細胞画像から構成されるデータベースを用い、高精度な細胞分類を実現するディープニューラルネットワークを導出したとしている。

研究チームは最新論文の中で「我々の深層学習モデルはこれまでのアプローチを凌駕し、単一の骨髄細胞の分類問題に関する概念実証を達成した」とし、血液疾患診断の自動化に向けた第一歩となることを強調している。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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