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損傷部位の運動機能を取り戻す「注射用ハイドロゲル」

カナダ・モントリオールに本拠を置くマギル大学の研究チームは、心臓や筋肉、声帯など”頻繁に動く組織”と融合して損傷を修復し、運動機能を回復させることのできる注射用ハイドロゲルを開発した。研究成果はAdvanced Science誌から公表されている。

本研究論文によると、独自開発によって得られたこのハイドロゲルは、細胞の成長・拡散・増殖に適していることが明らかにされており、動的な生体負荷を受けても細胞の生存率と機能を維持することができ、その構造は完全性を維持していたとする。著者らは「このハイドロゲルは細胞培養のための灌流マイクロフルイディクスや、声帯を模した灌流バイオリアクターに使用できる可能性が高いことが示された」と述べる。

これまで動的組織に十分に対応する注入素材は無かったため、研究成果と今後の展開には期待が大きい。研究チームは喉頭がん患者など、「声帯損傷を受けた人々の声を回復させるためのインプラント材」として使用されることに大いなる可能性を見込んでいる。

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1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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