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冠動脈疾患の遺伝リスクを算出するスマートフォンアプリ

スクリプス研究所の研究者らは、23andMeが保有する遺伝子情報に基づき、冠動脈疾患の遺伝的リスクを算出できるスマートフォンアプリ「MyGeneRank」を開発した。

このほどnpj Digital Medicineから公開された研究論文では、MyGeneRankにおいてDNAデータから冠動脈疾患リスクを出力する方法を詳述している。721名の研究参加者における検証では、MyGeneRankの評価として高リスクのスコアを持つ人は、低リスクのスコアを持つ人に比べ、スタチンなどの脂質低下療法を開始する確率が有意に高かった。

スクリプス研究所のAli Torkamani博士は「冠動脈疾患を含む心疾患は世界最大の死因でもあり、アプリを用いたこのような戦略が公衆衛生に大きく貢献する可能性がある」と述べる。身近なスマートフォンアプリ上で冠動脈疾患リスクを計算し、その情報を伝えることで、潜在的にハイリスクな人々の早期受診と必要に応じた「脂質低下薬の服用」につなげられるため、冠動脈疾患の発症や増悪、またこれに関連した死亡を抑制することに大きな可能性を持つ。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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