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日常の網膜スキャンが心疾患スクリーニングに変わる

「網膜の細い血管における変化が血管疾患の指標になる」という認識が進み、目のスキャンによって、冠動脈疾患を含む心血管疾患を特定する試みが盛んになってきた。英リーズ大学のグループは「網膜スキャンで心筋梗塞を予測する研究」を主導し、心疾患の日常的なスクリーニング手法としての技術応用を追求している。

Nature Machine Intelligence誌に発表された同研究では、網膜スキャン画像から「1年以内の心筋梗塞発症リスク」の高い患者を特定する深層学習モデルを構築した。本研究では網膜画像と最小限の臨床データを組み合わせ、左室心筋重量と左室拡張末期容積を推定し、心筋梗塞発症を予測している。AIシステムの精度はAUC 0.80・感度 0.74・特異度 0.71で、その後の精査につながるスクリーニング用途として利用できる可能性が示された。

リーズ大学のインタビューに対し、本研究を監修したAlex Frangi教授は「この技術は心疾患のスクリーニングに革新をもたらす可能性を秘める。網膜スキャンは比較的安価な手法で、眼鏡店でも日常的に使用されている。自動化スクリーニングによって特定された高リスク患者は、専門サービスの受診につながっていくだろう」と語っている。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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