小児〜青少年期のうつ病治療に抗うつ薬を用いる場合、副作用を最小限に抑えながら十分な治療効果を得ることが、長く続く治療における負担の軽減にとって重要となる。米メイヨークリニックのグループは「AIを用いた青少年の抗うつ薬治療効果を予測する研究」に取り組む。
The Journal of Child Psychology and Psychiatryに発表された同研究では、小児および青少年期のうつ病患者に対し、2種の抗うつ薬、fluoxetine(日本国内未承認)およびduloxetine(商品名サインバルタ)による治療を行った臨床データセットを対象としている。データセットには、6つのうつ病症状(楽しむことの困難さ、引きこもり、過度の疲労感、過敏性、低い自尊心、抑うつ感情)をChildren’s Depression Rating Scale-Revised(CDRS-R)と呼ばれる尺度で評価した内容が含まれている。そのデータセットに機械学習手法を適用することで、「4〜6週目の評価尺度」から「10〜12週間後の治療成績」を予測するアルゴリズムを構築した。その結果、fluoxetineで精度73%、duloxetineで精度76%の予測性能を示すことができた。
メイヨークリニックのインタビューに対し、本研究の主執筆者であるArjun Athreya博士は「治療の中間地点において現状の用量から治療の有効/無効を推測する、という臨床医の論理を模倣するようにアルゴリズムを設計した」と説明している。
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