乳がんリンパ節転移検出病理AI「Paige Breast Lymph Node」

病理AIの開発で急成長する米スタートアップ「Paige(過去記事参照)」は、病理検体から乳がんのリンパ節転移を検出するAIソフトウェア「Paige Breast Lymph Node」を最新製品として発売する。同製品は2022年3月開催の米国・カナダ病理学会(USCAP)年次総会で発表された。

Paige社によると、Paige Breast Lymph Nodeは、乳がんの転移巣を微小なものから検出することで病理医を支援するAIソフトウェアであり、感度98%以上の検出率を謳っている。陽性部位はPaige社独自のマッピングで強調表示され、病理医による優先順位付けやレビューを容易にする。先行製品で前立腺がん検出病理AIの「Paige Prostate」と同じ基礎技術を使用し、幅広いデータ形式・染色技法に対応するため、検査室と病院の多様な環境で迅速に展開できる汎用性の高さを実現している。

Paige社のCEOであるAndy Moye博士は「この製品の発売は、当社のAIプラットフォームのパワーを新たな疾患領域にもたらすもので、これは我々の商業戦略における重要なステップだ」と語った。FDA承認済みのPaige Prostateと並び、AIソフトウェアの幅広い活用が病理医のがん診断をどのように変革していくか、今後の実臨床での検証成果も期待される。

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1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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