Fairtility社 – 体外受精成功率向上を図る受精胚選別AI

不妊治療のひとつ「体外受精」は、1サイクルあたりの成功率が30%程度であり、より安定した高い成功率を得るためには「受精胚の選択」が技術的課題となっている。イスラエルの「Fairtility社」は、より良い条件の受精胚を選別するAIアルゴリズムの開発を行い、体外受精の成功率向上を目指す。

Fairtility社の最新の研究成果は、Scientific Reportsに報告されている。同研究のAIアルゴリズムは、一定時間ごとに受精胚の画像を撮影して状態を評価する「タイムラプスインキュベーション(TLI)」に適用され、受精後5日間の胚の発達に焦点を当てている。同アルゴリズムは受精胚の画像評価を自動化することで、従来の手動評価による精度のばらつきを低減する。本研究での検証結果として、FairtilityのAIアルゴリズムは、人間の手動評価だけではなく、FDA承認済みの既存システムの性能も上回ったことが示されている。

Fairtility社の発表内で、同社のチーフ・メディカル・オフィサーのAssaf Ben Meir氏は「親となる人たちは、体外受精のプロセスで、多大な経済的負担はもとより、精神的・肉体的に大きな負担を抱えている。現在の受精胚選択は、観察者間のばらつきの影響を受けやすく、本質的には暗闇の中の手探り状態であった。不妊治療のコミュニティは、より良い解決策を強く求めている」と語った。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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