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IVF Life Group – 欧州で初めて「AIによる胚選択」を臨床導入

スペイン・イギリス・ドイツでケアを提供するIVF Life Groupはこのほど、欧州で初めて「AIによる胚選択」を臨床導入することを明らかにした。Presagenによって開発されたこのAIプロダクトは、胚画像からその質を識別することができるもので、胚選択の支援を通した体外受精(IVF)結果の改善を狙っている。

Presagenが25日行ったプレスリリースによると、今回導入されるのは同社のLife Whisperer Geneticsで、今月欧州におけるCEマークも取得している。米国で行われたLife Whisperer Geneticsの妥当性研究では、91,500の胚に対して82%の精度で遺伝的に正常な胚を識別することができるなど、そのパフォーマンスは既に実用レベルにあるとされる。先行するLife Whisperer Viabilityは胚画像から妊娠成功可能性を識別するものだが、着実に世界各国のIVFクリニックでの実臨床導入が進んでいる。

PresagenのCEOであるMichelle Perugini氏は「IVF Life Groupと協力し、欧州の患者が最新のAIテクノロジーにアクセスできるようにすることで、健康な妊娠の可能性を高めること、治療費を削減することなどに貢献できる」と述べる。また、Life Whispererはイギリス・カナダ・オーストラリア・日本・インド・タイ・ニュージーランド・香港・シンガポール・マレーシアでの販売が既に承認されているという。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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