米ペンシルベニア大学などの研究チームは、医療AIに対する保険償還の現行モデルをレビューし、これからの「医療AIに対する支払い設計」に関する提言を行った。本コメンタリー論文は、npj Digital Medicineから20日公開された。
チームの論文では、「従来の非AI医療機器の経験から、機器使用ごとの保険償還はAIの使い過ぎにつながる可能性があること」を指摘した上で、量ではなく成果をインセンティブとすること、新しいAIアプリケーションに対する事前市場コミットメントと期間限定償還の活用、相互運用性とバイアス緩和への報酬など、5つの代替・補完的な償還アプローチを解説している。
AIの日常診療への統合が進むなか、費用対効果と公平性を最大化しつつ患者アウトカムを改善するためには、医療AIへの支払い設計の最適化が不可欠となっている。AI医療機器への償還は、AIの普及を促進することも発展を阻害することも考えられるため、これらの議論は日本におけるAI医療機器の取り扱いを検討する上でも重要な知見となる。
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