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異なる言語間で共通する「自閉スペクトラム症の発話パターン」を検出

自閉スペクトラム症(ASD)では、定型発達の小児と比較してゆっくり話すなど、ピッチ・イントネーション・リズムに違いのあることが知られている。しかし、これらの差異を客観的に識別することは容易ではなかった。米ノースウェスタン大学の研究チームは、香港の共同研究チームとともに、「言語の違いを超えたASD児の発話パターン」を特定するAI研究を行っている。

PLOS ONEに掲載された研究論文では、英語を話す児と、広東語を話す児、それぞれに「Frog, Where Are You?」という、文字のない絵本の物語を「自分なりに表現してもらった音声」について、機械学習アプローチによる解析を行った。結果、「リズムに関して共通する発話特徴を利用することで、どちらの言語においてもASD児の識別が可能」という成果を得たとする。

論文著者で、ノースウェスタン大学で学習障害を専門とするMolly Losh氏は「英語と広東語のように構造的に異なる言語間で確認されたASD児の発話パターンの類似性は、ASDの遺伝的理由に強く影響された特徴である可能性が高い」と語っている。研究チームでは、言語に関係なく発話を定量的に解析するAI手法が文化を超えるツールとなり、ASD研究に貢献する可能性を指摘する。

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1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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