医療機関はなぜデータ周りのベンダーを乗り換えるのか?

KLAS Researchによる新しいレポートでは、ヘルスケアプロバイダーが医療データアーカイブソリューションやベンダーを乗り換える理由を明らかにしている。本レポートは、KLASが2020年から2021年にかけ、23の大規模ヘルスケアプロバイダーを対象として調査した結果をまとめたもの。

KLASによると、Triyamは調査対象中で最も多く選ばれたベンダーで、顧客の選択理由としては、価格と販売プロセスの適切性が挙がり、特に価格体系の分かりやすさと柔軟性が評価された。また、2番目にランクしたHarmony Health ITは、顧客が同社の営業担当者を高く評価しており、他のベンダーよりも専門性が高く、フォローアップが充実しているとする。一方、MediQuantELLKAYは、サンプルベンダーの中で最も頻繁に乗り換えを求められており、この理由の上位として、スケジュールの遅れやデータの欠落、EMR統合の欠如が挙がる。また、MediQuantの顧客は、価格設定と、製品を導入して完全に使いこなせるまでにかかる時間が、リプレースを希望する主な理由とする。

全体として、データアーカイブソリューションの導入決定には、取り扱いデータ、導入の迅速性、扱いやすさ、EMR統合の可否、システム規模、価格、販売経験、機能が着目されていた。興味深いのは、営業担当者の専門性や柔軟性、積極性などへの言及が多くみられ、システムそのものへの評価とともに、担当者への評価が乗り換えを左右する重要な因子となっていることも明らかとなっている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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