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PIVOT – がんの個別化診断に向けた遺伝子解析AIツール

がんの進行は、ドライバー遺伝子と呼ばれる「がん化を促進/抑制する各種遺伝子」の影響を受ける。全ての遺伝子変異ががんを引き起こすわけではなく、原因となっている遺伝子を特定することが個別のがん治療戦略には重要となる。インド工科大学マドラス校(IITマドラス)の研究チームは、がんの原因となる特定の遺伝子を予測するAIツール「PIVOT: Personalized Identification of driVer OGs and TSGs」を開発している。

既存の同種ツールは教師なし学習に基づき、体細胞および発現データをネットワーク上にマッピングし、発現の変化に従って「パーソナライズされたドライバー遺伝子」を同定するものであった。一方のPIVOTは、患者における遺伝子の機能的影響を「腫瘍抑制遺伝子 TSG: tumor suppressor gene」と「がん遺伝子 OG: oncogene」、「中立 neutral」に分類する初めての機械学習モデルとなる。IITマドラスの研究者らは、乳がん・結腸がん・肺腺がんの3種に対する予測モデルをこれまでに構築した。直近の成果はFrontier in Geneticsに発表されている。

IITマドラスのデータ科学AIセンターのKarthik Raman氏は「がんは複雑な疾患で、一律の治療法では対処できない。がん治療が個別化医療へとシフトしていく中、患者間の違いをピンポイントに特定するために構築されたAIモデルは非常に有用となる」と語っている

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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