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「若年における変形性関節症」のリスク探索

変形性関節症(OA)は従来、特に65歳以上高齢者の疾患と捉えられてきたが、50歳以下の若年における発症も増加傾向にある。米ウェストフロリダ大学などの研究チームは、複数のAIモデルを活用した「若年成人におけるOAリスク因子の探索」を進めている。

Therapeutic Advances in Musculoskeletal Diseaseからこのほど公開された研究論文では、国民健康栄養調査に含まれる20~50歳までの1.9万人を対象とし、OAの有無とこれに関連する因子の分析を行なっている。複数の機械学習モデルによる探索では、若年性のOAリスクとして、女性であることや肥満、喫煙習慣、高血圧、身体運動制限、精神的不調、などの存在が明らかにされた。また、人種・民族間でのリスク差も検出されており、特にメキシコ系アメリカ人で有意にリスクが低いことが示唆された。さらに、疾患予測モデルはディープニューラルネットワーク(DNN)が最も高精度であり、AUC 0.75を示したとしている。

高齢化の進展に伴ってOAの全数は増加傾向にあるが、若年からのリスク管理によって高齢期発症のOAに対しても疾患予防効果を見込める可能性もある。今回明らかにされたリスク因子には十分に修正可能なものが含まれており、有効な介入アプローチの構築に向けてさらなる検証が計画されている。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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