Niramai – 胸部の「温度分布」から乳がんを検出

インド・バンガロールに本拠を置くNiramai社は、サーモカメラにより、胸部の温度分布から乳がんをスクリーニングする全く新しいAI技術を展開する。インド国内における多様な医療機関に導入・運用されてきたが、今年に入って米食品医薬品局(FDA)の承認も取得するなど、グローバル展開を加速させようとする。

Niramaiは「Non-Invasive Risk Assessment with Machine Intelligence」の頭文字を取ったもので、「誰もを健康に」というサンスクリット語に由来する言葉でもある。現在、乳がん検診のゴールドスタンダードはマンモグラフィだが、一定の設備投資と人的配備が必要となるため検査自体が高額であること、また特に乳腺組織が密である場合には有効とならないこと、などが課題となってきた。

Niramaiが提供する技術は、低コストで高いアクセス性を担保し、乳がんスクリーニングのあり方の根幹を変え得るもの。28の関連特許を取得し、多くの賞を受賞していきた同社は、乳がんスクリーニング領域で熱い視線を集めている。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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