「網膜年齢」による疾患予測

オーストラリアの眼科学研究機関であるCERA(Centre for Eye Research Australia)の研究チームは、AIによる網膜画像解析で算出した「網膜年齢」が、心血管疾患やパーキンソン病といった種々の疾患リスクを予測する可能性を明らかにした。

このほど、StrokeおよびAge and Ageingから公開された2報の研究論文は、網膜から推定される生物学的年齢である網膜年齢と、生年月日から決まる暦上の年齢とを比較し、その差異から疾患リスク予測が可能になるというもの。実際、交絡因子を調整しても「網膜年齢差が1年増加するごとにパーキンソン病の発症リスクが10%増加する」、および「網膜年齢差が1年増加するごとに心血管疾患の発症リスクが3%上昇する」といった関連を示していた。

網膜には、体外から直接観察可能な血管や神経組織が存在するユニークな部位であり、近年はAIによる画像解析で様々な疾患との関連が指摘されるようになっている。本研究は英バイオバンクに集積する1.9万枚以上の網膜画像と周辺情報から解析された。

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1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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