POC Advisor – 敗血症の発生モニタリングAI

米疾病予防管理センター(CDC)の報告によると、敗血症には毎年170万人の米国成人が罹患、27万人が死亡しており、院内で死亡する患者のうち実に3人に1人が敗血症を原因にするという。米イリノイ州拠点のBlessing Health Systemは、AIベースの敗血症モニタリングツールを臨床ワークフローに統合し、敗血症患者をさらに迅速に特定しようとしている。

公表によると、今回選択されたAIシステムはWolters Kluwerが提供する「POC Advisor」で、リアルタイムの臨床データと電子カルテデータを統合することで、患者の敗血症ステータスを高精度に判断するもの。同システムによって敗血症が検出されると、中央モニターや電子カルテ、その他のポイントオブケア機器に直接ルーティングされ、臨床医のタイムリーな行動を促すことができる。技術の根幹は自然言語処理(NLP)であり、臨床記録から敗血症を示唆する可能性が高い重要な情報を漏らさず抽出する。

Blessing Health SystemのMary Barthel医師は「敗血症の早期発見は多くの医療システムにとって重要な課題であり、我々はより積極的なモニタリングを通じてこれに取り組むことを決意した」と述べている。POC AdvisorはBlessing Health System傘下の2病院に導入されるが、同ヘルスシステムは感染予防や薬剤管理など、先進的モニタリングシステム群を導入してきており、技術の積極活用姿勢を明確化している。

関連記事:

  1. TREWS – 敗血症の早期発見AIシステム
  2. 「敗血症死亡の予測」をAIが改善する
  3. ER受診直後から敗血症を判別するAIゲノミクス研究

TOKYO analyticahttps://tokyoanalytica.com/
TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。
The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
RELATED ARTICLES

最新記事

注目の記事