米疾病予防管理センター(CDC)の報告によると、敗血症には毎年170万人の米国成人が罹患、27万人が死亡しており、院内で死亡する患者のうち実に3人に1人が敗血症を原因にするという。米イリノイ州拠点のBlessing Health Systemは、AIベースの敗血症モニタリングツールを臨床ワークフローに統合し、敗血症患者をさらに迅速に特定しようとしている。
公表によると、今回選択されたAIシステムはWolters Kluwerが提供する「POC Advisor」で、リアルタイムの臨床データと電子カルテデータを統合することで、患者の敗血症ステータスを高精度に判断するもの。同システムによって敗血症が検出されると、中央モニターや電子カルテ、その他のポイントオブケア機器に直接ルーティングされ、臨床医のタイムリーな行動を促すことができる。技術の根幹は自然言語処理(NLP)であり、臨床記録から敗血症を示唆する可能性が高い重要な情報を漏らさず抽出する。
Blessing Health SystemのMary Barthel医師は「敗血症の早期発見は多くの医療システムにとって重要な課題であり、我々はより積極的なモニタリングを通じてこれに取り組むことを決意した」と述べている。POC AdvisorはBlessing Health System傘下の2病院に導入されるが、同ヘルスシステムは感染予防や薬剤管理など、先進的モニタリングシステム群を導入してきており、技術の積極活用姿勢を明確化している。
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