医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例疾患予防へのAI活用事例「下肢切断患者の転倒リスク」をスマートフォンで自動分類

「下肢切断患者の転倒リスク」をスマートフォンで自動分類

種々の「AIによる転倒リスク予測モデル」の有用性が検討される中、健常者と比較して転倒リスクが高い下肢切断患者では、これまで十分な研究報告がなされていない事実がある。カナダのOttawa Hospital Research Instituteを中心とした研究チームは、「下肢切断患者の転倒リスクを、6分間歩行テストにおいてスマートフォンの歩行データから自動評価するAI研究」を行っている。

PLOS Digital Healthに掲載された同研究では、80名の下肢切断患者を対象とし、6分間歩行テスト(6MWT)中に腰のベルト位置に付けたスマートフォンから歩行データを取得している。歩行データに基づく機械学習モデルによる転倒リスク分類は先行研究が複数あるが、「下肢切断患者の歩行の変動性と不安定性」は織り込まれておらず、足部の接地パターンに関しては手動によるラベリングの手間を要していた。本研究では、このラベリングを自動化することをコア技術としており、手動ラベリングを用いた際のランダムフォレストモデルによる転倒リスク分類の精度80%に対し、自動化手法でも精度72.5%を達成した。

チームでは本研究の成果から「下肢切断患者の6MWT歩行データにおいても、自動化アプローチで十分に有効な転倒リスク分類が可能である」とし、スマートフォンアプリによる臨床評価が提供できる可能性を指摘している。

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1. 岡本 将輝
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員准教授など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. 杉野 智啓
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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