整形外科領域を主力とする医療機器メーカーZimmer Biomet社は、患者データを活用するデジタルプラットフォーム「ZBEdge」の開発に取り組み、手術患者の転帰改善を目指している。ZBEdge上で展開する同社初のAIモデル「WalkAI」は、股関節・膝関節の術後90日時点での歩行機能回復に問題がある患者を予測・特定することができる。
Zimmer Biometは10日付けで、WalkAIのリリースを発表した。同製品は、手術後の患者における歩行データをiPhone上のアプリから収集し、術後15日目から40日目までの歩行速度を毎日解析する。同社が保有する術後回復の典型的なデータと比較することで、術後90日時点での歩行速度が回復の軌道に乗らない可能性のある患者を特定し、臨床医に通知する。その通知を受け取った医師は、当該患者への介入を早期に検討できるようになる。
Zimmer BiometのCOOであるIvan Tornos氏は「ZBEdgeは、データ共有から臨床的洞察を引き出し、『デジタルとロボット技術が相互接続されたエコシステム』という私たちのビジョンを実現している。それは現在、AIモデリングによって強化されている」と語る。WalkAIは2022年3月末までにZBEdgeの機能として国際的に展開し、順次利用可能になる予定とのことである。
関連記事: