高齢者の転倒は最悪のケースでは死の誘因となるため、その予防はヘルスケア領域における重要課題のひとつである。特に高齢者では、些細な転倒であっても、その恐怖心に伴う活動制限が体力や自立心を喪失させてしまう。伊ジェノバと米ボストンに拠点を持つMovendo Technology社は、ロボットシステム「hunova」とAIプログラム「Silver Index」で高齢者の転倒リスクを予測するサービスを提供している。
Movendo Technologyのリリースによると、同社は米マサチューセッツ州で理学療法を展開するクリニック「Maragal Medical」と提携し、hunovaシステムを高齢患者向け転倒予防スクリーニングに統合することを発表している。hunovaは立位/座位と、2つの独立した制御装置から構成されたロボット医療機器で、姿勢制御・ストレッチ・筋力強化・バランス・体幹安定性など200項目以上に渡る運動と機能評価を行い、転倒リスクの予測と予防機能を備えている。一方、Silver Indexでは、機械学習アルゴリズムによって転倒につながる静的および動的な機能障害を解析し、個別化されたリハビリプログラムを提案できる。
同サービスは提携先のMaragal Medicalを中心として、公的医療保険メディケアの患者を対象とした無償のコミュニティ内スクリーニングを2022年1月から提供開始するとのこと。既に欧州内ではイタリア最大の保険会社「ゼネラリ保険」など多国籍企業との提携によって、「集団健康管理における重要なツール」という位置付けへの証明が進みつつある。
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