医療とAIのニュース医療におけるAI活用事例医療系AIスタートアップ・ベンチャー企業の動向Movendo Technology社 – 高齢者転倒リスクを予測するロボット医療機器とAIプログラム

Movendo Technology社 – 高齢者転倒リスクを予測するロボット医療機器とAIプログラム

高齢者の転倒は最悪のケースでは死の誘因となるため、その予防はヘルスケア領域における重要課題のひとつである。特に高齢者では、些細な転倒であっても、その恐怖心に伴う活動制限が体力や自立心を喪失させてしまう。伊ジェノバと米ボストンに拠点を持つMovendo Technology社は、ロボットシステム「hunova」とAIプログラム「Silver Index」で高齢者の転倒リスクを予測するサービスを提供している。

Movendo Technologyのリリースによると、同社は米マサチューセッツ州で理学療法を展開するクリニック「Maragal Medical」と提携し、hunovaシステムを高齢患者向け転倒予防スクリーニングに統合することを発表している。hunovaは立位/座位と、2つの独立した制御装置から構成されたロボット医療機器で、姿勢制御・ストレッチ・筋力強化・バランス・体幹安定性など200項目以上に渡る運動と機能評価を行い、転倒リスクの予測と予防機能を備えている。一方、Silver Indexでは、機械学習アルゴリズムによって転倒につながる静的および動的な機能障害を解析し、個別化されたリハビリプログラムを提案できる。

同サービスは提携先のMaragal Medicalを中心として、公的医療保険メディケアの患者を対象とした無償のコミュニティ内スクリーニングを2022年1月から提供開始するとのこと。既に欧州内ではイタリア最大の保険会社「ゼネラリ保険」など多国籍企業との提携によって、「集団健康管理における重要なツール」という位置付けへの証明が進みつつある。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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