Philips Home Safe – 高齢者の転倒を防ぐAIシステム

オランダ・アムステルダムに本拠を置くPhilipsは、生体センサーを利用した転倒検知・予測を行うAIシステムを活用し、高齢者を守る「Home Safe」プロジェクトに取り組んでいる。

MEDICA Magazineの報道によると、本プロジェクトはドイツの健康保険ファンド・Techniker Krankenkasseとの協力によって展開されているという。PhilipsのAIアラートシステムでは、生体センサーから高齢者の転倒を検知し自動的に救護要請を行う機能に加え、既往歴や転倒歴を含む各種背景情報から「30日以内の入院可能性」を算出する機能までを実装する。

高齢者の転倒による入院は身体機能の著しい低下を招くことが多く、生命予後にさえ重大な影響を及ぼす。PhilipsのAndreas Landgraf氏は「転倒時に助けを求める高齢者は20%程度で、残りは助けを求めることそのものができないか、あるいは注意を引くことを厭う現状がある」とし、自動アラートシステムの潜在的有用性を指摘する。

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TOKYO analyticaはデータサイエンスと臨床医学に強力なバックグラウンドを有し、健康増進の追求を目的とした技術開発と科学的エビデンス構築を主導するソーシャルベンチャーです。 The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。 1. 岡本 将輝 信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、英University College London(UCL)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員、東京大学特任研究員を経て、現在は米ハーバード大学医学部講師、マサチューセッツ総合病院研究員、SBI大学院大学客員教授など。専門はメディカルデータサイエンス。 2. 杉野 智啓 防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。
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