パーキンソン病患者の転倒を予測する機械学習モデル

指定難病に分類される神経変性疾患であるパーキンソン病は、運動症状を主体とした進行性疾患で、特に高齢患者における転倒は生命予後にとっても大きな問題となってきた。タイ・キングチュラロンコン記念病院などの研究チームは、パーキンソン病患者における転倒を予測する機械学習モデルを構築した。

Parkinsonism & Related Disordersにてオンライン公開されたチームの研究論文によると、305名のパーキンソン病患者データからこのアルゴリズムを導いたという。患者基本属性や内服状況、身体バランス評価などから、XGBoostを用いた教師あり機械学習モデルによって転倒予測を実現した。

モデル精度は72%にとどまったが、転倒予測における説明力の高い変数として「床を掃除する」「混雑したモールを歩く」などが同定されており、これらは介入によって修正可能な因子であるため、パーキンソン病患者における転倒予防への具体的な示唆を示すものでもあった。患者個々の転倒予防戦略策定のため、同種アプローチによる更なる知見集積が期待されている。

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The Medical AI Timesにおける記事執筆は、循環器内科・心臓血管外科・救命救急科・小児科・泌尿器科などの現役医師およびライフサイエンス研究者らが中心となって行い、下記2名の医師が監修しています。

1. M.Okamoto MD, MPH, MSc, PhD
信州大学医学部卒(MD)、東京大学大学院専門職学位課程修了(MPH)、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(PhD)、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ(University College London)科学修士課程最優等修了(MSc with distinction)。UCL visiting researcher、日本学術振興会特別研究員を経て、SBI大学院大学客員准教授、東京大学特任研究員など。専門はメディカルデータサイエンス。

2. T.Sugino MD
防衛医科大学校卒(MD)。大学病院、米メリーランド州対テロ救助部隊を経て、現在は都内市中病院に勤務。専門は泌尿器科学、がん治療、バイオテロ傷病者の診断・治療、緩和ケアおよび訪問診療。泌尿器科専門医、日本体育協会認定スポーツドクター。